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機能光回路研究室は光ファイバと光の専門家を育てます

理工学部電気電子工学科

大学院総合理工学研究科

学生の皆さんへ研究室の概要、授業について

授業について

吉田が担当している講義について解説しています
シラバス、履修要項も参考になさって下さい

通信方式
光通信工学
光・レーザー工学
信号処理論
移動体通信工学
電気回路V


光通信工学

 適用学年  3年生後期 (第6セメスター)
 コース エレクトロニクス・情報通信コース
 シラバス  近畿大学のサイトへ
 試験など  定期試験を実施します
 概要  光通信を用いることで、大量の情報を地球の裏側からでも短時間で取得することが可能になりました。これは、世界の主な都市が光ファイバでつながってるからです。例えば、日本とアメリカを繋ぐ光ファイバは、まさに長さ1万kmの光ファイバケーブルが、太平洋の底で日米間をつないでいるのです。
光ファイバが大量の情報を伝えられる原理と、光ファイバがどのような仕組みで実現されているのかを知ります。さらに、高度な技術を日常生活で容易に利用するために編み出された実用化技術なども理解します。




各回の概要


 講義回  講義内容のツボ
 1 インターネットに代表される今日の通信環境が、光ファイバ通信によって実現されていることを説明しました。また、ファイバの基本的な構造を解説しました。新しい用語が登場したら、その都度覚えるようにして下さい。後の講義が楽になります。
 2 多重化技術と中継技術について解説を行いました。多重化技術の中で、光でなければ難しい波長多重の実用化により高速通信のコストが劇的に下がったことと、波長多重通信を実用化するために不可欠な光増幅記述について学習しました。従来の3R中継も大事ですので、光増幅と対比させながら理解して下さい。
 3 光ファイバの重要な特性として、三点を挙げました【安価、低損失(損失波長特性)、無害(安定)】これらの特徴がなぜ得られるのか、説明できるようになって下さい。また、銅線と比較した、細径、無誘導、等の特徴も理解が必要です。他に、通信波長幅からファイバによって伝送可能な情報量を求めました。この計算もできるように理解して下さい。
 4 光の損失と増幅について計算ができるようになりました。また、コアとクラッド構造が光を伝える基本的な仕組みについて学習しました。スネルの法則を理解し、臨界角、開口数などは導出できるようになって下さい。また、比屈折率差についても、まずは覚え、数値を求められるように練習して下さい。
 5 波である光が導波路中では離散的な角度でしか伝搬できないことを学習し、それをモードと称することを学びました。さらに、横モードの電界分布とエバネッセントの関係も理解してください。新たに、伝送可能な高次モードと長波長には限界があり、それをカットオフと呼ぶことも学習して下さい。
 6 横モードの伝搬により生じる問題点としてモード分散が存在します。モード分散により生じる時間広がりが生む弊害について学び、広がる時間幅の式を導出し、例を挙げて時間広がりを計算してみました。
 7 ファイバ中の光の伝搬について解きました。その結果からファイバ断面における光のパワー分布を得られ、LPモードと呼ばれるパワー分布が存在することを学びました。LPモードの命名法について確実に理解をして下さい。
 8 遮断(カットオフ)波長についてこれまで以上に詳細に理解しました。カットオフ波長の前後で生じている現象と単一モードファイバが利用される理由について確認して下さい。また、ファイバの構造設計計算ができるようになって下さい。
 9 単一モードとマルチモードの概念を確実に身につけて下さい。GIファイバは、マルチモードファイバなのだけれども広い帯域を持っています。その理由や用途を把握して下さい。
 10 ファイバを構成する材料と、石英系材料の損失要因について学習しました。赤外吸収、紫外吸収、レーリー散乱、マイクロベンド、曲げ損失などについて理解をして下さい。また、レーリー散乱損失が1/λ4に比例する事も把握して下さい。
 11 モードフィールド径(MFD)の定義(特に、ガウシアン型分布の場合)を学びました。また、曲げ損失法による遮断波長の測定方法を学習しました。カットバック法による損失の計算は、類似の計算ができるようになっておいて下さい。
 12 波長分散は、波長が変化するとファイバ中を伝搬する光の速度が変化する現象に起因して発生します。ファイバの材料(主に石英)によって既決定される材料分散、屈折率分布によって決定される構造分散、が主な決定要因です。波長分散の測定は、群遅延の波長依存性を測定し、計算します。群遅延の波長依存性を示すグラフから零分散波長を求められるようになって下さい。
 13  VAD法によるファイバ製造は、原材料である四塩化珪素を酸素と水素の炎で燃焼させることによりスーとを作成し、それを焼結し、母材化します。線引き工程における一次被覆と二次被覆の役割を理解しましょう。心線構造には、単心線と多芯のテープ心線構造が存在します。
 14  テープ心線を用いたスロット型ケーブルの構造を学びました。構造の勘所を説明できるようになって下さい。ファイバの接続には融着接続とコネクタ接続が存在します。それぞれの特徴や用途などを把握して下さい。また、コネクタはPC研磨されたものを用いますが、なぜ球面研磨を行っているのか理解して下さい。信号光源に用いられるLDの中でもDFBの特徴と挟スペクトル化の目的を把握して下さい。
 15  バタフライ型LDモジュールの構造は理解できましたか? 光信号を光のまま増幅するためのEDFAの仕組みや、EDFAが利用されている理由などを説明できるようになって下さい。波長多重通信と深く関連しています。また、波長を利用した高度な通信技術や、一般家庭などトラヒックの少ない加入者向けのPDSについても理解して下さい。
コメント:光ファイバや光に関する学習は、全ての受講生の皆さんにとって初めてのことと思います。それを前提としてして基礎から説明をしますので、毎回の復習をしっかりと行って下さい。

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