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機能光回路研究室は光ファイバと光の専門家を育てます

理工学部電気電子工学科

大学院総合理工学研究科

珍しい写真解説付き

いろいろな写真が混ざっています 少しずつ増やします

電力公社

フランス、パリの街中のあちらこちらで見かけたマンホールの蓋の一部です。

光ファイバ通信の分野では、光増幅を行う増幅用ファイバとして、コアにErをドープしたファイバを利用します。そのファイバを エルビウム ドープ ファイバ と呼びますが、英語では Er doped fiberと書き、EDFと略されます。EDFは、機能光回路研究室に無くてはならないファイバです。
このマンホールを発見して、嬉しくなって写真を撮りました。
マンホールの蓋を撮影していたら、通りすがりのフランス人(と思われる)に笑われました。

マンホールの蓋として日々通行人に踏まれて続けているEDFは、Électricité de France の略で「フランス電力公社」を意味するそうです。

以上、種明かしでした。


通信施設

東京、永田町付近で見つけました。上のEDFに絡み、通信つながりでマンホールの蓋の写真です。

今でも時折目にすることがありますが、1985年に電電公社が廃止されて30年ほどが経過し、文字等のエッジがすり減って丸くなり、写真写りが悪くなっている物が多い中、比較的美品です。
物心ついた頃から三公社五現業と言われていた時代が長く続いたのですが、電電公社と専売公社は同じ年に公社から現在の企業へ衣替えしました。自由化の流れや、強力な組織でも姿を変えることもあるのだな、などと(当時はまだ社会や企業のしくみなどを能く理解していませんでしたが)感じた次第です。


左の写真は、虎ノ門で見かけました。恐らく、大阪では見つけられないだろうと思い、おまけ感は否めませんが(しかも通信とは関係無いかも知れませんが)が掲載します。


電話の発明者とされているアレクサンダー グラハム ベルに遡ることができる、米国の電話会社のマンホールの蓋。ベルの電話会社は、AT&Tをはじめ、独占を避けるためにAT&Tから分割された多数の地域電話会社と深く関わっています。また、研究所も旧ベル研から旧ルーセントテクノロジー社となり、さらに現アルカテルルーセント社に変わるなど、たくさんの経緯を経て今に至っています。
サンディエゴで発見しました。

大型放射光施設 SPring-8 の敷地で見付けました。中央部にはぐるぐる回るいかにも蓄積リングらしい楕円と、そこから抜け出しているビームラインらしいデザインがあります。マンホールが専用のデザインになっていることが、細部まで丹念に作り込まれた(デザインされた)研究所だと感じさせてくれます。
真空排水とはどういう仕組みなのか知らなかったのですが、配水管の下り勾配や水槽が不要になるらしいです。この蓋を開けると、吸い込まれるのではないかと不安になります。(勝手に開けてはいけないですね)
通信施設には関係無くて、単なるマンホールの蓋ネタ になってしまいました。



ミュンヘンの新市庁舎付近で見つけました。もうこうなると、通信施設では無いことはほぼ間違ないと思いながら撮影しました。文字を読むと、恐らく下水のマンホールです。しかしながら、ミュンヘン市の市章が描かれていたので嬉しくなって撮影しました。左手指を二本立てておられます。どの様な意味があるのか興味を持ちます。
市章と言えば、大阪市ならば澪つくしです。澪つくしの形は、直線の定規があれば簡単に描くことができます。それぞれの土地で歴史などの背景があって定められた意匠であろうと思います。ミュンヘンを歩くと、地下鉄に乗っても、道を歩いていてもこのお人(?)を頻繁にお見かけします。




保存鉄道

イギリス、ロンドンのウォータールー駅から電車で1時間ほど移動すると、ミッドハンツ鉄道のオルトン(Alton)駅に到着します。ミッドハンツ鉄道は『保存鉄道』を持っていて、古い蒸気機関車などを保存しています。
一年に二回、春と夏にトーマスイベントを開催します。デイジーなどに乗車することもできてトップハムハット卿(ふとっちょ局長)とも仲良くなれます。

左の写真は、ロプリー(Ropley)駅から撮影した、本物(?)のトーマスとディーゼルが競争中の様子です。さて、勝ったのはどちらでしょう・・・



流れる時間

引き続いて鉄道ネタ。でも、こちらはのどかな蒸気機関車ではなく、東京へ向かって高速で走行する新幹線の車窓から。撮影場所は日本、恐らく静岡付近。携帯電話のカメラで撮影しました。電信柱が斜めになっていますね。でも、電信柱が傾いているわけでは無さそうです。遠くの建物はほとんど傾いていません。

この写真から、カメラは、上から下に走査していることがわかります。(東に向かっているので、画面中の景色は、右から左に流れているのです) 新幹線が秒速70mで走行していると仮定して、電信柱の先端が概ね7m横ずれしていると仮定すれば、カメラの掃引時間は1/10秒程度と求められます。

富士山。綺麗ですね。



この写真も明石で仕入れました。(下の「標準化」をご参照下さい) 日本に導入された初期の原子時計です。2本の缶の様な物が見えますが、右が水晶振動子、左がセシウムビームの管だそうです。セシウム原子の吸収を利用して水晶振動子の周波数をロックしているらしいです。米国HP社製でした。HP社は通信用の計測装置などのメーカーでしたが、計測装置を製造している本家は社名を二度変えており、分家が本家の名前を継いでいます。そのため、本家の現在の企業名がわからなくなりました。時間が流れ、企業も新陳代謝して生きています。



終端

東京駅の北のはずれで撮影しました。
大阪ならば、阪神と阪急の梅田駅や近鉄の上本町駅。それにJRの天王寺駅が比較的大きな終着駅。初めて訪問したローマで、テルミニ駅が(その意味を後で知ったのですが名前の通り)巨大な終着駅であることを知り、さらにはパリでもロンドンでもミラノでも、大きな駅には正にターミナルが多いことも、訪問する度に学習しました。子供の頃から環状線に親しんでいたので「ここから先の移動はどうするの?」と昔の人の苦労を想像したこともありました。

東海道本線は、東京駅が始発です。線路は続いていますが、たぶん、このあたりまででではないかと・・・
(後日知ったのですが、この頃、延伸のための工事を行っていたそうです)

ここから先はゆっくり進みましょう。





東京、日本橋にある日本国道路元標。国道1号線他の起点がこの場所に定められているそうです。(本当にここに記されている「十字」を基準にしているかどうかはわかりません) 首都高速の高架下にあるのが、少し残念。
「ここから左が国道4号線、右が国道1号線」という説明になります。1号線を歩き続ければ大阪まで帰れるはずです。1号線は、大阪駅の南にある梅田新道の交差点までつながっていて、そこから国道2号線になります。2号線の終端までたどり着き、そこから国道3号線を使えば、鹿児島までたどり着けるはず。と、思えば自転車で走ってみたくなります。



こちらも道路元標。大阪駅の南、梅田新道の交差点付近の歩道に有ります。国道1号線は、ここで国道2号線になり、北九州まで伸びます。
近くに置かれていたパネルによると、その他の国道として、国道25、26、163、165、176号線もここが起点あるいは終点となっている様です。(四つ角なので地図ではよくわからないです)。また、国道423号線が100mと離れていない場所に通っています。国道の密集地帯です。
日本橋の道路元標の本物は、道路の真ん中に埋められています。梅田新道のそれは、この写真の位置なのか、それとも交差点に埋められているのか・・・



基準、標準

ロンドンのグリニッジ天文台が経度の基準(0度)であることは有名です。でも、大切な経度の基準があっさりとイギリスに定められたわけではないようです。海を渡ったお隣のフランスも、パリに基準を設定しようとしていたそうです。
パリ天文台を通る南北の線(子午線)に沿って、地面(舗装面)に写真のプレートが埋め込まれています。

このプレートは、ルーブル美術館に有るガラスピラミッドの南西側で発見しました。直径は10cm程度です。ARAGOと書かれているのは、子午線計測に活躍し、フランス天文台長をされたアラゴを顕彰するためだそうです。NとSは南北ですね。アラゴさんは多くの仕事をなした人物だそうです。

地球の基準争いではイギリスに敗れたフランスですが、産業面で不可欠な長さと質量の基準、すなわちメートル法(今日のSI単位系)はフランスが勝ち取り、今日でも キログラム原器はパリ郊外のセーブルで管理されています。
もしもキログラム原器を紛失したら、人類にとって質量の基準はどうなるのか、少し心配です。
(なお、時間の単位である「秒」もメートル法で制定されているそうです)















こちらは現在のご本家。テムズ川を臨む丘の上にある、グリニッジの観測所付近の地上に引かれている子午線です。左上の写真は屋外のそれで、幅は10cm位かな。(上方に写っている子供の靴からご想像下さい)
「ここが零度、右が東半球、左が西半球」と言う説明になります。まっすぐ進めば北極です。逆に進めば南極です。
子午線脇の石に刻まれている文字は、世界の主要都市の経度です。東京も記載されています。(東経139度45分)
今では展示施設となっている観測所内の床には、(恐らく)真鍮で引かれた昔の子午線が残されています。右上の写真は、かつて使われていた観測儀とその真下に引かれている子午線です。ここで南中を観測していたのですね。

この丘からテムズ川方面を眺めると、お餅に爪楊枝を刺したようなオリンピックの会場や、テムズ川を越える新しいロープウェイが見えました。


こちらは日本です。東経135度にある明石市立天文科学館の玄関付近で見付けたモニュメント。ここに135度の子午線が通っています。地球は1時間で15度回転するので、ロンドンよりも9時間早く太陽が南中することになります。
海外に出掛けて、日本と連絡を取ると地球は丸かったんだなと感じていましたが、ここに立つと丸さその加減がボールの一部分のように感じられます。

子午線に作られた、黒い石造りの階段状のモニュメントは水時計らしいです。表示の針に相当する機能はは上がったり下がったりするトンボの尻尾でした。天智天皇の水時計には矢がつかられていたらしいのですが、その役割をトンボが担っています。

天文台の裏にもトンボの意匠が使われているモニュメントがありました。





質量の基準は、上記のようにキログラム原器です。「この金属の質量が1キログラムである」と定められた基準の金属の塊を作り、その複製が各国に配られました。左の写真はキログラム原器(レプリカ)。二重のベルジャー内で厳重に保管されています。
原器を基準にすると、劣化や盗難などでそれが失われると大変なことになります。同じものを二度と作ることはとても難しいはずです。
右の写真は高純度なシリコン単結晶で作られた精密な球。球の中に含まれるシリコン原子の数がわかれば、誰が作っても(これが難しいばすですが)、基準となる質量を再現できます。 日本(産業技術総合研究所)の発案による新しい国際基準です。



北海道大学の博物館の床に埋められていた一等重力点を示すプレートで、直径は10cm程度です。重力基準点「札幌GS」と呼ばれているそうです。
国土地理院の日本の重力基準網を形成する一つで、重力値は980.47757Galとなっているとのことです。
重力は正式には重力加速度ですが、地球の自転による遠心力との合力で決まっているそうです。
このプレートは、透明な板の中に厳重に管理されているので、カメラの焦点を合わせるのが難しくて読みにくいですが、
「この測量標を毀損すると罰せられます」と書かれています。



法則


ミュンヘンのドイツ博物館に展示されていました。オームが、私たちがよく知っているオームの法則の研究を行っていた際の実験装置のようです。たくさんの金属板を重ねて、電圧と電流の関係を測定されていたものと思います。(説明書きを能く読んでおけば良かった) 他にも、電気や電磁気学に関連する多くの展示がありました。

ドイツは、オームの以外にもジーメンスなど、電気工学の基礎づくりに貢献された(単位に名前を残されるような)科学者を輩出しています。なお、ジーメンスはドイツ電機業界の雄である、シーメンス社の創始者としても、そのお名前が今に伝わっています。




反復

西梅田の地下で見かけた光景です。柱に作り込まれた、ほぼ90度の角度でV字型に組み合わせられた鏡を見付けて、不思議そうに鏡の世界に入り込んでいる子供さんです。コーナーキューブの説明に好適です。
正面から±45°の範囲であれば、どの角度から眺めても自分の姿が見えます。また、左右が反転せずに(正しく?)映るので不思議なのだと思います。
アポロ計画では、入射した方向に光を反射する、特殊な鏡が月面に設置されました。この鏡に向けて発射したレーザーパルスが戻ってくる時間を測定すれば、月と地球の距離を精密に求めることができます。(タイム オブ フライト法と呼ばれています)
その特殊な鏡にも、90度に研磨されたプリズムが使われています。(なお、この写真は保護者の方のご許可を頂いて掲載しております)


正三角形っぽい構造が続いています。
さて、何でしょう?
答) 明石海峡大橋の道路の下に、淡路島まで延々と続くトラスです。
明石側から撮影した写真ですが、このようなトラスが延々と3900mも続いているはずです。作業用の車が通るための道や人道も付けられています。橋は中央部が最も高くなっているので、道が見えているのは全長の中央付近までと思われます。
能くこれだけの橋を架けたものだと思います。それと、兵庫県南部地震によって、主塔の間隔が1m延びたため、橋の全長も設計値よりも長くなっているそうです。
フェリーを利用していた頃と比べると、明石海峡を車で渡れるようになり、とても便利になりました。




安全


長崎の三菱重工長崎造船所様の展示施設で拝見した品です。解説に依りますと、タービンローターの破片です。写真に写っている中学生の男の子と比較して頂くと大きさの見当が付くと思います。過速試験中にローターがほぼ四つに割れる(説明には「破裂」と書かれていました)事故が発生し、大勢の方が亡くなったそうです。
展示されている破片は重さが9トン。事故現場から880メートル離れた海中から発見されたそうです。
大きなエネルギーが放出されたことがわかります。
(なお、この写真も保護者の方のご許可を頂いて掲載しております)

下の写真はこのローターの破断が始まった箇所を示しています。(男の子が写真を撮っている位置です)
僅かの欠陥が巨大なローターをを四分させました。このような事故調査は極めて重要であり、徹底的な原因究明を行うことにより製鋼技術が飛躍的に向上したそうです。
光ファイバを「切断すると」言いますが、ファイバはガラスできていますからから、ハサミやナイフで大根や羊羹のように切ることはできません。走査型電子顕微鏡で観察しても簡単には見付けられない程度の小さな傷をガラスの表面に付けて、その後に張力を加えることにより破断させます。大きさこそ異なりますが、また、不遜かも知れませんが、似ていると感じました。



高度経済成長

日本、吹田市の某大学に出張した際に、たまたまみつけました。再び、マンホールの蓋です。

日本のGNPが世界第2位となって間もない1970年に開催された万国博覧会会場の駐車場の一部は、現在、大阪大学の敷地に含まれています。
中央付近の桜をモチーフにしたマークは、万国博覧会のシンボルマークです。「人類の進歩と調和」をテーマに、経済成長が続き、科学技術の進歩に支えられて達成されるであろう夢の未来を形にした華やかな博覧会でした。

この蓋は、40年以上も現役で働いていることになります。
高度経済成長に終わりを告げた(のだと思います)オイルショック、バブル景気とその後今日まで続く日本経済の低迷期、さらに、ITバブルとその崩壊にも耐えて役割を果たしています。


メッセージ

スイス、チューリヒの駅で撮影しました。説明のいらないわかりやすさですね。
ただ、最近は、日本国内では安全の面からエスカレータでは歩かない様に案内を流している場所もあります。某エスカレーターメーカーの方は、歩くと単位時間あたりの輸送能力が低下するから、歩かない方が一定の時間でたくさんの人を運べる、とどこかに書いておられました。

「うまい」と思って撮った一枚ですが、このような写真を撮影するときには、他の歩行者に迷惑をかけない様に十分な注意を払う(タイミングを見計らう)必要があります。また、特に海外では、同行者から置き去りにされることにより発生する、各種の危険に身をさらしていることも忘れない様にしましょう。


イギリス、ロンドンの地下鉄のエスカレーターにて発見しました。こちらは、しっかりと説明しています。チューリヒと同様に左側優先(?)ですね。
オリンピック直後に撮影した写真ですが、5年前には無かったように思います。ロンドンもこのような説明をしなければならなくなったと考えるか、このような説明を素直に受け入れる気質だと考えるか。あるいはオリンピックで増加する来訪者への対策か。

大阪で似たようなルールが一般化したのは、1970年に開催された万博(海外からのお客様が増える事態に対応して)がきっかけ、と何かで読んだような気がします。


ドイツ、ミュンヘンの空港の動く歩道にて発見しました。チューリヒと同様、こちらも文字を使わずに説明しています。
動く歩道で立ち止まる(ベルトコンベアの流れに任せる)人は右に。歩く人は左に。ここも左側優先でした。タイミングの問題かも知れませんが、私たちが空港を利用したときには、人影もまばらで、広々とした印象を持ちました。このような表示は無くても大丈夫かも知れません。

右に立っている人物はスーツケースをベルト(床)に置いていますが、エスカレーターではスーツケースから手を離すと危ないので注意しましょう。


どうも、下を見て歩いている時間が長いような気がしてなりません。上を向いて歩かなきゃ・・・

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